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2014-05-07

殿下、春がきたよ!

秋田にもやっと春が来ましたよ!


↑4月29日、八郎潟の菜の花ロードにて。

秋田は、ほんとーーーに冬が長くて辛くて…
でもそのぶん、春が来た喜びはひとしお。

一日中幸せな気持ちになれます。
うーん、仕事放って遊びにいきたい(笑)



つくしも、沢山生えてるねってレベルじゃない。
生えすぎて気持ち悪い(笑)


山菜も取り放題です。
だが、我が家は父ちゃんが山菜嫌いだからなぁ。
殿下もまだ小さくて食べられないし。
勿体ない…
父ちゃんの父ちゃん(殿下のじいちゃん)は山菜大好き・山菜採り大好きなのにね。


自然に囲まれて、殿下もすくすく成長中。
便秘がひどいのが目下の悩み。


最近は砂場遊びとシャボン玉にはまっています。
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2014-01-12

双子妊娠・死産の記録…⑧入院3日目

1月11日(土)

朝から酷い吹雪で、窓の外は真っ白で何も見えない。
この日は、本当に何もなかった。
朝昼夕と、食事をとって、検温と血圧測定して。

お腹が痛いが、子宮でなくて便秘の痛みのようなので、下剤を出してもらう。

夕方になってシャワーの許可が出たので、漸く3日振りに垢を落とすことができた。

安静のために横になっているから、ついウトウトするのだが、様子を見にきてもらったり、掃除や備品のチェックがあり、そのたびに目を覚ましてしまう。

外は天気が回復して明るくなったものの、外に出ることはできない。
今のうちに書類を出したり、双子ちゃんの服を買いに行けたらいいのに。

立ち上がると視界がブラックアウトしたり、昼間の血圧が3回計り直しても高い数値が70しかなかったり、なんか疲れているようだった。

お姑さんがお見舞いに来る予定はあったが、雪が酷いのと殿下をみていなくてはならず、お見舞いは無くなった。
殿下はというと、日中はとてもいい子にしているが、夕方になると寂しくなるのか母ちゃんを呼んで泣くのだと…
1日繰り上げで退院しようと決めた。

父ちゃんは仕事が早めに終わると言っていたが、連絡が来たのは18時半を回っていた。
死産届と火葬の予約はまだのようだった。
昨夜のすり合わせで、父ちゃんは明日、届けと予約を確定するとのことだったが、よく覚えていなかった。
病院側からなるべく早くと言われていることもあり、双子ちゃんの状態を思うとなるべく早く火葬してあげたい私は、父ちゃんじゃなくても、舅さんでも姑さんでもいいから、とにかく早く予約と報告がほしかった。
対する父ちゃんは、死産届けは自分で出したいし、仕事の都合もあるから、ある程度調整が効くなら予約は自分で都合したかったようだ。

そんな些細なすれ違いにも疲れてしまい、父ちゃんは今からお見舞いに行く、と言うものの、断ってしまった。
朝からずっと楽しみにしていたけれど、一気に疲れてしまい、一人になりたかった。
父ちゃんはずっと心配していたけど、結局引き下がってくれた。
その後も予定の擦り合わせなどをしていたけれど、回診がきたために電話を切り、かけ直すこともなかった。

完全に、八つ当たりだ。

一人になって、ボロボロと泣いた。

私が外出できれば。
せめて父ちゃんが土曜日も休みだったら。

届けもすぐ出せたし、納棺までに気の済むように服や小物を揃えられたのに。
悔しくて、心残りでたまらなかった。

せめて気晴らしになればと、双子ちゃんでも着れるようなサイズの簡単な服を作ろうと思った。
売店で携帯用ソーイングセットを買い、持ち物の中から布地(可愛い水色の手拭い)や紐(巾着ポーチ)などをかき集めた。

巻きスカート式のペチコートとケープなら、少し体を持ち上げることさえできれば着せてやれるはず。
そう思って布地を切ろうとするが、携帯用ソーイングセットについていた小さなハサミは、糸を切る以上の負荷には耐えられなかったようで、あっという間に壊れてしまった。

どうしようか、ナースステーションで借りられるだろうか。
だが、入院患者に刃物を貸すとは考えにくい。

そうこうしている間に、消灯時間になってしまったので、諦めざるをえなくなった。

情けなくて、また泣き続けた。
そして、未だに眠ることができない。
2014-01-12

双子妊娠・死産の記録…⑦入院2日目

1月10日(金)…13週3日

朝から猛烈に雪が降っていた。
自分の車は、埋まってしまっているかもしれない。

朝7時、検温と血圧測定、問題なし。
内診台に上がって、ダイラパンを抜く。
この時点で、ある程度の出血は始まっている。
痛みのような違和感はあるものの、ハナ(略)
「いち、に、さん…5本、あるね」
女医さんは、抜いたダイラパンの数をしっかり数えていた。
医療ミス怖い。

LDRに移動し、いよいよ陣痛誘発剤を入れる。
今回は、錠剤タイプを膣の奥に押し込むものだった。

程なくして、朝食の時間となり、お膳が運ばれた。
全部ではないけど、大方食べてしまった。
助産師さんは、ちゃんと食べれたね、と言ってくれたが、この段階で悲嘆に暮れずにモリモリ食べるって、非情過ぎるだろうか。

…以前とは、置かれている状況が全く違うからだろう、と思う。
前と違って、まだ胎動すら感じられていなかった。
前と違って、既に殿下の存在がある。
このことが、かなり気持ちを前向きにしてくれている、とは思う。
勿論、双子ちゃんだって、可愛くて大事な子。
悲しくない訳はないし、忘れることはないだろう。
でも、私は殿下のために残りの人生と可能性を最大限に活かしたいのだ。

その後は助産師さんがちょくちょく様子を見に来てくれるものの、基本的には一人で横になっていた。
有線も聞けますが…とのことだったが、なんとなく静かに過ごしたかったのでお断りさせてもらった。

徐々に、生理痛のような痛みが湧いてきた。
前あきの産褥ショーツに巨大な生理用ナプキンのような産褥ナプキンを大小2枚あてる。
もうすぐ分娩。
希望のない出産。
今になって、本当は双子の心臓、動いてたり…などといらない想像をしてしまう。
何度も確認したし、大きさだって育ってないから、結果なんてわかっているのだけれど。

お腹に手をあてても、ほんのわずかな膨らみは、自分の肥満なのか子宮の成長かなのさえ解らない。
回復したら、ダイエットしようかな。

1時間毎に、体温と血圧測定。
問題はないようだ。

しかし、陣痛誘発剤を入れてから3時間経過するが、徐々に痛みが軽くなっていってしまった。
10時頃、もう一度陣痛誘発剤を入れる。
ついでに子宮口の開きもチェックされた。
触診されても痛くなかったので、それなりに柔らかく開いているのだろうと思う。
誘発剤の効果が表れ、また痛みが復活する。
それなりの、重めの生理痛が続く。
でも、こんなのまだまだ陣痛には程遠い…
ときどき、キューっとお腹が収縮するのがわかる。
でも、まだまだだ。

そう思っていた矢先、突然、小さな水風船が破裂するような感覚と共に、水が溢れる感覚があった。
間違いなく破水だ。
すぐにナースコールで助産師さんに来てもらう。
ショーツ内を確認して、リトマス試験紙のようなものをあてている。
黄色い試験紙は青変していた。
「羊水で間違いないですね」
やはり試験紙の色でわかるらしい。

医師を呼んできてもらうと、あの明るい女医さんではなくて、若くて美人の女医さんが来て状態を確認してくれた。
とりあえず、様子見らしい。

医師と助産師さんが退出して数分後、もう一度破裂感じがあり、今度は羊水がジャンジャン出る感覚があった。
再びナースコール。
助産師さんがチェックしてくれるが、産褥ナプキンを2枚あてているため、下に漏れる心配はないとのこと。
ものすごい量が出ている感覚だが、実際はそうでもないのかもしれない。
採血だって、大量に血液を抜かれる感覚があるも、実際は数㍉㍑程度なのだろう。

2回の破水は、双子それぞれの羊膜なのだろうか。
それとも、羊膜と卵膜だったのだろうか。
その後は、時折わずかに羊水が流れる感覚があっても、大量に流れることはなかった。

遂に昼食の時間になってしまった。
半分以上は食べる。
昼食後、検温と血圧測定すると、朝一以来の尿意を感じたため、LDR備え付けのトイレへと入った。

ナプキンにはおびただしい出血があった。
毎月の月経で慣れてはいる自分でもドン引きした。
入院を先伸ばしにして、連休に破水したらえらいことになってた…。

ものすごい苦労して用を足して、ナプキンを2枚重ねにしてあてる。
膣口から、大きめの塊が一部出ていることに気付いた。
生理2日目のときにたまに出てくる塊を、もう少し大きくしたような。
すぐには落下しなさそうなので安心しながら助産師さんに告げる。
使用済ナプキンにて、出血量を計測してから医師を呼んできてくれるとのこと。

助産師さんが女性限定の仕事である理由がわかる。
あんな真っ赤な、他人のナプキンを嫌な顔一つせずに、平気で預かれるのだから…。
男性じゃ、まず無理だろうな…というか見られたくないな。
医師は勿論だけど、看護師さん助産師さんて、ほんとにすごい仕事だよ。
勤務もシフトで、立ちっぱなしだし、気も使うのに、いつも優しいし…超人すぎる。
ほとんどが、絶対に私より若い人ばかりなんだけど。

若い美人医師が来て、内診とエコーを使って診察してくれた。
双子は、子宮頚部で留まっているらしい。
器具を用いながら、双子を取り出してくれるとのこと。
(きれいに出てくれるといいな…)

横たわっていたベッドが変形し、内診台に変わった。
LDRいいな。
殿下の分娩のときは、陣痛室から隣の部屋の分娩台に上がるのは苦行だった気がする。

若い美人医師は手際よく進めている。
「いま双子ちゃん、一緒に出てきましたよ」
と、助産師さんの声がした。
えっ、もう?
いつ出てきてくれたのかよくわからなかった。
小さいからなのか、美人医師の腕なのか。
そのまま、すぐに胎盤も出されたそうだ。

やっと、終わった。
それほど痛みも苦しみもなく終わってくれた。
双子ちゃんに感謝しないと。

美人医師が腹部エコーを確認しながら、子宮内部に残留物が残っていないか確認をしていた。
白黒の画面が見えるが、素人の私にはそれが正常なのかはわからない。
ただ、明らかに、双子ちゃんたちの居た黒い丸いものは映っていなかった。

LDRに、あの明るい女医さんが見えた(混乱するからベテラン女医さんと呼ぶ)。
美人医師が、ベテラン女医さんに、残留物がないか確認を求めていた。
美人医師さん、若いし研修中なのかしら?

「そうだね~、掻爬しようか 」

気絶しそうだった。むしろ気絶したかった。

もう、処置終わると思ってたのに…

掻爬というのは、子宮の中に器具を入れて中を掻き出すこと。
当然、痛い。はず。

でも、子宮内を綺麗にしないと、出血が長引いて、結局後日になって掻爬、ということになりかねない。
次の妊娠のためにも、いまするのが良いはずだ…覚悟を決めねば。

ベテラン女医さんがエコーをチェックしながら、美人医師が掻爬をする。
私の顔の右にモニターがあるので、様子がよくわかる。
棒状の器具が動いているのもはっきり見える。

カリカリと、子宮の中を耳掻きのように、少しずつ掻爬しているようだ。
「もう入っているんですね」
予想よりも痛みが少ないので、ほっとしてテンションがおかしい。
「うん、入ってるよ~頑張ろうね~」
変わらない明るさでベテラン女医さんは励ましてくれるが、掻爬の痛みは徐々に増していった。
助産師さんは左脚を擦ってはげましてくれる。
…冬だから脛毛ボーポーでごめんなさい…

掻爬、痛い。
医師2名、助産師3名というなんだか大がかりなチームになっている。
「子宮収縮させる注射打ちますねー」
とお声がかかるも、
「……はい……」
と、弱々しく震える声でしか返答できない。
「親指中に入れて握って下さい~」
ちゃんと握るだけの力が入っているのか、だんだん意識が朦朧としてきてよくわからない。
腕に針の刺さる感覚とわずかな痛みはあったが、同時進行で進んでいる掻爬にくらべたらハナ(略)

「結構出てくるもんでしょう~^^」
ベテラン女医さんが美人医師に言ってる。
そうか、そんなに胎盤の欠片が残っているんですね。
それは取らなきゃですよね。
でも、もう…早く終わって…

冷や汗なんだか脂汗なんだか、よくわからないけど、病着も頭皮もぐっしょりしたころ、漸く 掻爬が終わってくれた。
「お疲れ様、頑張ったね」
と労ってもらった。
思わず涙ぐんで、猛烈な吐き気に口に手をやると、ベテラン女医さんはすかさずビニール袋を出すように助産師さんに指示していた。
「( 掻爬すると)吐くよ~高確率で吐くよ~」
と仰っていた。

ですよね。痛みも吐き気も半端ないです。
麻酔ってしないものなのだろうか。

幸い、すぐに吐き気は治まったため、嘔吐することはなかった。
痛みも徐々に引いていくし、意識もだんだん元に戻っていく。

「…先生方も…お疲れ様でした…大変ですね、繊細な作業で…」
ベテラン女医さん、苦笑いしてた気がする。

暫くは2時間程度の安静。
その間に、担当医だったダンディー先生が来てくれた。
ダンディー先生の説明によると
「見ればわかると思うんだけど、双子の片方は白くて、もう片方は真っ黒でね。恐らく、胎児間輸血が既に起こってしまっていたようなんだ」

そっかぁ…。
どうしようも、なかったんだね。
もうちょっと大きくなってからの発症だったら、処置できたのかな…り
覚悟していたとはいえ、起こりうることだとはいえ、出来れば、発症せずに大きくなってほしかった。
それでも、亡くなった原因がわかるだけでも、救われるものなのだよ。
何も解らないまま、子供を見送らなければならないというのは、何年たっても気持ちを昇華することができないのだから。

しばらくして、助産師さんが小さな白いトレーにコットンを敷いたものに、双子ちゃんを並べて連れてきてくれた。
「二人とも、本当に寄り添うように出てきたんですよ。こっちが上の子、こっちが下の子です。」

ぱっとみて、ダンディー先生の仰ったとおり、お兄ちゃんが白くて弟くんが黒かった。
第一印象は、ホタルイカみたい、だった。

お兄ちゃんと弟くん、というのは、弟くんの股間にそれっぽい突起が見えたから。
はっきりとは断定できなかったが、助産師さんも、男の子っぽいですよね、と言ってくれた。

まだ瞼が完成しておらず、黒目が透けていた。
小さな小さな手には、本当に点のような爪がある。
手よりも更に小さいけれど、足も出来ている。

普通に産まれてくる「赤ちゃん」に比べたら、まだ人間の形としては形成途中で、顔は宇宙人グレイにそっくりだし、2頭身半だし、体のバランスも奇行種巨人みたいだけど…。
二人とも、笑っているように見える。

小さくて、めちゃくちゃ可愛い!

助産師さん達も、可愛いですね、笑ってますよね~、と言ってくれた。
気遣いもあるだろうが、すごく嬉しかった。

「触りますか?」と聞かれたので、是非お願いした。
薄いビニールの手袋をつけてもらう。

恐る恐る触れると、ぷにぷにと柔らかく、ほんとにホタルイカの沖漬けか、大きなおたまじゃくしみたい。
あまり強く触れると傷つけてしまいそうで怖くて、持ち上げることもできなかったけど。

頭をなでなでしたり、手足をサワサワしたり。

助産師さんも、しばらく親子だけで過ごさせてくれたので、両手でトレイを持ちながら、静かな時間を過ごした。

お兄ちゃんは白くて4㌘。
少し恥ずかしそうに脚を閉じ、はにかんだような優しい笑顔をしている。
顔は、殿下にそっくりだった。

弟くんは、黒くて8㌘。
大股開きでふてぶてしそう。ニヤリ、としたいたずらっ子のような笑顔だ。
すごくやんちゃそうで、父ちゃんに似てるな、と思った。

お兄ちゃんが弟くんの肩に手を回すようにして、寄り添って出てきたように見えた、と助産師さんは話していた。
穏やかそうな顔だね、とも。

双子ちゃん、苦しくなかったかな。
二人の穏やかな笑顔(に見える)が、僅かに心を軽くした。

悲しいのか、哀しいのか、涙がボロボロと落ちた。
何も考えることなく、暫くは一人で泣き続けた。


可愛い可愛い、双子ちゃん。
少しでも、育てていけるか不安に思ってごめんね。
何がなんでも双子ちゃんを守って育ててみせる、って、強い気持ちでいれば、大きくなってくれたのかな。
弱い母ゃんでごめんよ。
今更、こんなこと思っても君たちは戻ってはくれないね。
大きくなった君達に、会いたかったよ。
父ちゃんも母ちゃんも、君たちのお兄ちゃんも、賑やかな家族になりたかったんだよ。
本当に、ごめんね。

助産師さんが、双子ちゃんたちを安置するベットを作ってくれていた。
後から見たけど、すごく可愛かった。
こういう温かい気遣いに、本当に嬉しくなった。

今後の説明を受け、死産証明書を発行してもらった。
市役所に提出して、同時に火葬の日時を決めなければならない。
それまでは、双子ちゃんは涼しいところ(冷蔵庫)に安置しておいて、いつでも面会させてくれるらしい。
有料にはなるが、骨壺と棺も用意してもらった。
双子ちゃんは小さいし、産まれてくるそのときもずっと一緒だったから、どちらも一つにしてもらった。

双子ちゃんの足形をスタンプしようと試みてくれたそうだが、水分が多すぎてインクがつかなかったそうだ。
そもそも、ほんの数㎜しかないあの足の形をとろうとするとは、助産師さんチャレンジャー。

気になるのは、今後の仕事の復帰がいつになるか。
分娩という形式をとること、妊娠12週以降の死産になることとなると、労働基準法上では、産後8週間(意思の許可が降りれば産後6週間)は、就業することができなくなる。
そこは、退院までに確認してくれるとのことだった。

夕食後、子宮への細菌感染を防ぐための抗生物質と、痛み止め、母乳が出るのをとめるためのホルモン剤を飲んだ。
お産と同じなので、どうしてもこのあとに母乳を出そうと体が反応してしまうのだ。
悲しいが、考えないようにする。

面会時間1時間をきったころ、父ちゃんが面会にきた。
手続きのこと、書類のこと、今後の予定のこと…必要なことをすり合わせした。
父ちゃんは明日も仕事。
すぐ面会には来れないし、火葬するにしてもある程度仕事上の予定に合わせたいとのことだった。
私は、遺体の痛みを思うとできるだけ早く火葬してあげたいのだが…。

面会時間は僅かだったが、父ちゃんは双子ちゃんたちの顔を見てくれるそうだ。
ナースステーションの看護師さんにお願いして、双子ちゃんたちを用意してもらった。

助産師さん手作りのベットに、仲良く並んでいた。
コットンで作ったであろう布団が、一人一組並んでいる。
そっと掛け布団をよけてもらうと、綺麗に寝かせてあった。

父ちゃんは目を真っ赤にして、可愛いね、と言ってくれた。
「こっちがお兄ちゃんでね、殿下に似てるでしょ。弟くんは父ちゃんにそっくり。」
「そうだね。そっくりだ。」

面会時間ぎりぎりまで双子ちゃんと対面して、看護師さんにお礼をいって父ちゃんは帰っていった。
殿下は父ちゃん実家で預かってもらっているので、父ちゃんも実家に帰るらしい。

私も退院後は父ちゃん実家で休んでいいとのことだった。
図々しいが、甘えることにした。

あんなに汗をかいてぐったりしたのに、なかなか眠ることが出来なかった。
お腹に手をあてても、もう何も残っていない。
2014-01-11

双子妊娠・死産の記録…⑥入院1日目

1月9日(木)…13週1日

殿下をいつも通りの時間に保育園に送り、担任の先生に数日入院すること、今日はジジ(父ちゃん父)が迎えにくる旨を話し、チャイルドシートを預かってもらった。

殿下は母ちゃんにバイバイして、遊びの輪に加わりに行ってくれた。
いつも通りの光景だ。
殿下だけでも、いつも通りでいてくれればいい。

すぐに病院に向かって受付を済ませると、間もなくして担当の助産師さんが迎えに来てくれた。
部屋(大部屋か個室か)の希望を聞かれ、個室を希望すると、今日は空きがないので明日から個室に移れるとのことだった。
4人部屋は、たまたま私だけの利用で、窓際の一番明るいベッドに案内してもらった。

そのまま病院着に着替え、これからの処置の説明をするために別室に案内された。

昨日の女医さんと助産師さんとの三者面談式で以下の説明が行われた。
まずは今日1日、ゆっくり子宮口を広げる処置を行う
これから子宮口にダイラパンを挿入し、夕方に一度入れ換えを行う
順調であれば明日の朝ダイラパンを抜き、陣痛誘発剤を挿入して陣痛を起こす
順調にいけば明日の午前中に分娩が終わる
本日含めて5日間入院の予定だが、経過がよければ1日繰り上げて早く退院も可能
分娩(お産)なので、出産一時金の給付対象となり、双退のため倍額の支給となる
双子は分娩後、火葬・埋葬となるため死産届を病院から発行する

双子ちゃん、ちゃんと引き取れるんだ。
火葬して、お骨にして、供養できるんだ。

そこが一番心配の種だったので、本当にほっとした。
このまま病院側で破棄されるのだとしたら、頼み込んででも引き取りたかった。

説明に同意し、同意書にサインをして、検温・血圧測定排尿を済ませてから処置に移った。
また、前回の検診で受けた血液検査の結果ももらった。
性病や抗体値などの項目はどれも問題なかったが、貧血だけ引っ掛かった。
ヘモグロビン、ヘマトグリット、赤血球数、相変わらずどれも平均より低い。
これもいつものことだから、特には気にしない。
…流産死産続くのに、関係あったら嫌だけど。

内診台に上がり、膣内と子宮の様子を確認し、器具が入れられて消毒。
この時点で冷や汗がでて、緊張で身体がガチガチになる。

「ダイラパン入れますね」

きた。
これが、本当に恐怖でしかない。
何度やっても、恐怖で逃げ出したくなる。

「3㎜のね」

女医さんが助産師さんに(取って、と)指示を出す。
3㎜って、細いのか太いのかもわからない。

そして、子宮口にダイラパンが挿入される感覚が一気にきた。

はっきりいって、痛い。
ネットには気絶するほど痛いって人もいるし、全然痛くないって人もいるけど。

1本、また1本とダイラパンが入っていく。
挿入されるたび、私の体の「芯」「幹」「核」と表現したいような、絶対不可侵としたいような場所に、無情に針が刺されていくようだ。

「うっ…」
声を漏らすと、助産師さんが脚をさすりながら
「大きく、息はいてね、ゆっくり深呼吸してねー」
と励ましてくれるものの、痛みと恐怖でどうしても呼吸が乱れてしまう。

挿入は4本で終わったようだ。
最後の方では、「痛っ…」と震える声が漏れてしまった。
情けない。

最後に、水をたくさん含んだガーゼが挿入されて、止めを刺されたようだった。

「ごめんね、痛かったよね。子宮口ガチガチに閉じてるから、どうしても痛いんだよね」

先生ごめんなさい。
経産婦なのに痛がりで意思薄弱です…

女医さんにお礼を告げて、なんとか病室まで戻った。

もしまた妊娠しても、繋留流産とかになったら…またあの処置をしなくちゃならないんだよなぁ…
悲しい思いした上に、またあの恐怖を感じるくらいなら…
そう思うと、妊娠することにすら躊躇してしまう。
怖いのだ、どうしても。
でも、殿下には兄弟どうしても作ってあげたい。
がんばらねば。


子宮口に受けた刺激による痛みは、ベッドに横になると徐々に薄れていった。
代わりに、生理痛のような重たい痛みが出てくる。
ダイラパンが、じわじわと膨らんで子宮口を押し広げているのだろう。
生理痛なら慣れているから、余裕だ。
殿下の出産のときも、陣痛だけは余裕で乗りきれた。

ダイラパンというのは、水分を含んでゆっくりと膨らむ性質を持つ人工のスポンジのような医療器具で、その特性を利用して、子宮口を意図的に広げる目的で利用される。

昔はラミナリアというものが主流だったようだ。
ラミナリアは海草を原料として、同じく水分を含んでゆっくりと膨らんでいく。
どちらも2~3倍の太さになるとのこと。

減量の海草というのは、調べてみるとどうやら昆布の茎、しかも羅臼昆布だとか。
昆布、万能過ぎ。

朝昼晩と食事をとり、検温・血圧測定。
なんかずっと37度台で低血圧なのは変わらない。

夕方になって、ダイラパンを一度取り出した。
取り出すときに軽い痛みのような違和感があるも、挿入時に比べたらハナクソだ。
問題は再挿入だ。

4本抜き終わり、膣内を消毒する。
もう既に痛みで声が出る。
泣きそう。

恐怖感で身体はガチガチ、一気に冷や汗が出る。
(深呼吸しなきゃ、体の力を抜かなきゃ…)
天井を見上げながらスーハースーハーする。

挿入は思いの外すんなり済み、4㎜が5本入ったらしい。

「思ったより痛くなくて、良かったです」
「朝と比べて子宮口開いてたからねー」

そういうものなのね。

図にかけないけど、4㎜が5本というと、配置にもよるが現在子宮口の開きは最低8㎜になる。
2~3倍に膨らむとして、最低16~24㎜…
ちっさ。
お産だと100㎜位まで開くはず。2割程度しか開かないとは。
そんな小さな開口部から、双子ちゃん+胎盤は出てこられるんだろうか。
まさかまたダイラパン追加とかになったらどうしよう。

じんじん痛む子宮口の代わりに、また生理痛様の痛みが出てくるが、眠れなくなるほどではない。

双子ちゃんとも、もうすぐお別れしないと。

悲しいけど、この先のことを考えると、少しでも早く体を回復させなければならない。
食事はできるだけとり、翌日に備えてがっつり寝た。

過去の経験で、どんなに悲しくて傷ついても、時間が必ず癒してくれることを覚えた。
殿下の笑顔を思いだすと活力が湧いてきた。

情が薄いようで少し自己嫌悪にもなるが、いつまでも今の状態で留まるわけにもいかず。
明日は絶対に気力体力が消耗される。
今の自分にできることは、備えることだと。
泣くのは、明日でいい。
2014-01-11

双子妊娠・死産の記録…⑤死亡宣告

1月8日(水)…13週0日

できれば午後半休をとって受診に行こうと考えていたが、思いの外部署全体が忙しい日だった。
私も班に配属されているものの、いつ休職するか読めない立場上、遊撃兵のように上の指示の下、遅延している作業にその日その場でとりかかることが多かった。

申し訳ないながらも、午後半ばで早退する許可を頂いて会社を後にした。
その時間で大丈夫?と気を使わせてしまったが、私も迷惑かけ通しな分、出来るときできることの提供は惜しみたくなかった。

総合受付で、予約はしていないが、事故を起こしたこと、体調が気になることを告げると、産科に問い合わせの上で受付で貰えることになった。

産科の受付でも、暫く待つことになりますが、という前置きで受付してもらい、母子手帳を2冊手渡した。
事故で心配ではあるものの、保険診療での対応を依頼した。
※通勤途中の事故だったため、ケガがあれば労災の適用もしてもらえるが、はっきりとした自覚症状はないため(念のため、ということなので)
健康保険での対応とした。

年明けのせいか、産科婦人科の待合患者が多く、予約していない自分は一番最後の受診となった。
待つこと約2時間半。
座り疲れてぐったりした頃、やっと名前が呼ばれた。

診察室に入ると、いつものダンディー先生ではなく、明るい朗らかな感じの女医さんだった。

長いこと待たせてごめんね、という前置きをされてから、事故に遭ったことを問われる。

事故を起こした加害者は自分だし、クソ忙しいときに突然の診療に対応してもらったことも申し訳なくて縮こまる私に、事故はショックだよねぇ、と明るく笑ってくれる女医さん。
なんか、いい先生だなぁ。

とりあえず、赤ちゃん診てみましょうね、とエコー室に移動し、膣内に器具を挿入。
痛みもなくて上手な先生だな、と思った。
緊張が抜けて、頭の右にあるエコーのモニタを見てみる。

退治の姿は、映っていた。
でも、私の目にもすぐにわかった。
心臓は動いていなかった。

片方の心臓が動いていない=もう片方も駄目だろう。
最初の検診のときに、そのような1絨毛膜の双子の特性を聞いていたから、自分で理解するのも早かった。

「うーん…赤ちゃんの心臓、どちらも止まっちゃっていますね」

冷静な、でも必要以上の重苦しさを感じさせないように女医さんが告げた。

ああ、やっぱりそうか。
予感は、的中してしまった。

「腹部エコーも見てみましょう。こればっかりは間違うわけにはいかないからね。」

そういって、腹部エコーの診察台に移動した。
間違いであってほしい。
かすかにそう思いはしたものの、諦めの気持ちは強かった。
下手に望みを託して、再び絶望するのは嫌だった。

剥き出しの腹部に冷たいゼリーがをつけた機械が当てられ、モニターに子宮内が映し出された。
やはり、動いていない。
どちらも既に、死んでしまっていた。

大きさから見て、2週間くらい前、11週位で成長が止まった可能性が高いとの説明を受けた。
2週間前か…何をしてたかな。
帰省は疲れたけど、もっと前だよね。
忙しくて覚えてないな…。

死んでしまったのか。

悲しいとか涙が出るよりも、一気に魂の火が小さくなってしまったようだった。
感情のスイッチが切られて、妙に冷静になってしまうのだ。

双子ちゃん、出さないといけないよね…
まだ小さいから繋留流産のときのように、 子宮内掻爬するのかな。
嫌だな、痛いし怖い。

「妊娠12週を越えているのと、今回は双子ちゃんということで、胎盤や子宮も単胎より大きく成長していることから、普通の分娩という形で赤ちゃんを出しますね」

分娩か…

殿下も普通分娩で産んだし、その前にも1000グラムの死産のときはもっと楽だったし、双子ちゃんまだ小さいから体の負担は小さく済みそうだな…手順も大体思い出せるし…

「処置は早い方がいいので、明日の9時から入院してもらいたいのだけど…」

明日!

仕事は、忙しいながらも融通してくれるだろうが…
殿下は、どうしよう。
父ちゃんも仕事忙しいし、父ちゃんの実家も市内にあって時々預かってもらってるけど、自営業で今は忙しい時期だし、急だし…

「あの、子供がいるから急なのは難しいかもしれないです」

「そうだよねぇ…そうなると、三連休明けから入院、ってこともできるんだけど…その間に、自然にお産が進むかもしれないし、いきなり出血になると双子だから、ちょっと多くて大変かもしれない。とりあえず明日からを予定して、どうしてもダメだったら明日の朝すぐに電話もらえるかな?」

おお…神配慮。女神様に見える。

とりあえずその予定でお願いし、会計を済ませると、すぐに話したい旨を父ちゃんに携帯のメッセージで伝えた。
程なくして父ちゃんから電話が来た。

双子ちゃん、だめだったこと。
事故とは関係ないこと。
明日からできれば入院したいこと。
殿下をどうするか。

父ちゃんは、殿下は実家で預かるから大丈夫。
母ちゃんの体は、大丈夫?すぐ電話できなくてごめんね。
と、ひたすら心配してくれていた。

とりあえず、父ちゃんはまだ仕事中なので、取り急ぎ実家に連絡して早めに帰ると言ってくれた。
私は、明日からの急な入院を職場に伝えなければならなかった。

職場に電話すると、すぐに命の母ホワイト先輩が出てくれたので、事情が話しやすかった。
双子が死んだことと、明日から5日ほど入院なので連休明けにも休みがかかるかもしれないこと。明日しなければいけなかった仕事の引き継ぎなどを、淡々と…
先輩は、私事のように妊娠を喜んで応援してくれていた。だめだったことを伝えると、電話越しの声が震えているのがすぐにわかった。
嬉しくも、申し訳ないな、と思った。
ずっと応援してもらって、仕事のことも先輩たちに今よりずっと負担がかかるのを承知で最大限考慮してくれていたこと。
恩を仇で返すようなことばかりしているような気がする。
とにかく仕事のことは気にしなくていいからゆっくり休んでね、いつまで休みになるか目処がついたら教えてね、と声掛してもらって、電話を切った。

さぁ、殿下を保育園に迎えにいって、明日からの用意しなくちゃ。
やることいっぱいだ。

保育園に殿下を迎えにいくと、ちょうど18時の延長保育組が軽食をとりおえたところだった。
いつも、こんなに早く迎えにこれないから軽食のこと忘れてた…。

早いお迎えに、殿下は大喜びでニコニコしながら駆け寄ってきた。
あー…可愛いなぁ。

無邪気にはしゃぎながら、いつものように上着を着せるのに手間取らせてくれるのだけれど、それすらも何だか癒される。
子供のパワーは、偉大だ。

先生にバイバイして、チャイルドシートに乗せて。
また事故起こさないよう、安全運転して。
殿下の「これはー(なに)?」攻撃に答えて。
手を握ったり、ほっぺをつついて殿下がキャッキャ笑ったり。
それだけで、元気が湧いてくる。
この子がいるんだから、あまり立ち止まってもいられない。
これからの生活を続けられるようにして、いつかまたこの子をちゃんとお兄ちゃんにしてあげたい。
がんばらないと。

すぐに父ちゃんも帰ってきてくれて、当然ご飯作る時間も気力もなかったので、なぜかまたマック買いにいってもらった。
どんだけ好きなんだマック。
殿下は大喜びでエビフィレオ食べてた。
2歳児に連日マック食べさせる母親でごめんね…。
退院したら美味しいご飯作ろうね。

父ちゃんとは、淡々と翌日からの段取りを決めて、準備をした。
はやとの死、双子の死、多忙な仕事が続いて疲れているようだけど、まずは私の体調を気遣ってくれていた。
実家の姑さんは、仕事休んでついててあげなさい、って言ってくれていたようだったけれど、「家庭も大事だが、仕事(社会的な責任)も大事」と私は考えているため、また多忙な時期に急な穴を開けると後々大変なのは父ちゃんなので、とりあえず私一人で入院することに二人で決めていた。
舅さん・姑さんは私のことすごく可愛がってくれているぶん、何だか父ちゃんが「こんなときに一緒にいてあげないなんて」と責められているような感じで、なんだか気の毒だった。

殿下はお気に入りのプラレールで遊んだり、スマホアプリやYouTubeの動画を見てご機嫌だった。
明日からしばらく、母ちゃんと離れるんだよ。
寝るとき泣かないかな。
今日は母ちゃんと寝ようね。
パパと寝る、っていっても、最終的にはいつも母ちゃんと寝てるけど。

ここのところずっと、お風呂に入るたびに母ちゃんの太っ腹をなでなでしながら、
「ここ赤ちゃん?」と聞いてきたり
「おにいちゃんだよー」と言ったりしてくれてた殿下。

「あのね、赤ちゃん、バイバイするんだって。殿下も赤ちゃんにバイバイしてくれる?」
と言うと、殿下はニコニコしながら
「あかちゃん、ばいばーい★」
と、母ちゃんの太っ腹に手を振った。

「また来てねー、って言ってあげてくれる?」
「あかちゃん、またきてねー★」
ナデナデ。
意味は解っていないのだろうけど、赤ちゃんがバイバイしなければいけないことに、殿下がまだ悲しむことがなくてよかった。

また、赤ちゃんが母ちゃんのところに来てくれるといいね。
いつか、ちゃんとお兄ちゃんになれるように頑張るからね。
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